2022年7月18日(月)海の日
今日も又地元の山の難台山でのトレーニング。今回は愛宕山から難台山を往復。
先週蕾だったギボウシが咲き出し、山頂のチダケサシは見頃、南山展望台のオミナエシも綺麗だ。イワタバコはまだ蕾が固くヤマユリも咲くのはもう少し先になりそうだ。
一旦落ち着いたと思ったコロナだったがまたまた凄い勢いで増えだした。
私達にとって大事なここ数年間がコロナで翻弄されている。
去年の夏山は白馬岳を歩く予定だった。蓮華温泉から入り白馬大池山荘・白馬山荘泊の二泊三日の計画はコロナ蔓延防止の為やむなく小屋をキャンセルした。
今年こそは!ともう一度同じコースで歩こうと早々に小屋を予約して後はお天気を祈るだけ☀大雪渓からは何度か歩いた事があるが蓮華温泉からは歩いた事がなかったので心ウキウキ仕事にも精が出る。しかしここに来て又コロナの勢いが止まらない。若夫婦、孫との同居、泣く泣くキャンセルすることにした。
来年こそは!二度あることは三度ある😅いやいや三度目の正直を願って(;'∀')
🌲🌲🌲🌲🌲
何年も一緒に歩いていた山仲間が一月に病気で亡くなった。元気ならばまだまだ歩けただろう。もうすぐ新盆がやって来る。ブログを始まる前の随分昔に一緒に歩いた山の記録を仲間を思い出しながら残しておくことにした。
当時は今みたいに天気予報も山の情報も少なく観光協会に問い合わせたり気象庁の
天気予報や気圧配置で判断しながらの登山だった。当然携帯電話も持っていない時代であった。
悪沢岳~赤石岳山行記録
コース
8月3日
岩間20時30分発夜行
8月4日 椹島登山口~~~千枚小屋 泊
8月5日 千枚小屋~千枚岳~丸山~東岳~中岳~小赤石岳
~赤石岳~赤石小屋 泊
8月4日 赤石小屋~椹島登山口~~~岩間
日時・
2006年(平成18年)8月3日夜行~8月6日
念願が叶ったというよりはむしろ多忙な日程に無理矢理押し込んでようやく
叶えさせたこの山行。気が付いてみたら雄大な山の山頂にいて、風が渡るよう
に山稜を巡り、水が流れ落ちるように尾根や沢を下って、慌ただしく家路に付
いた。余韻を楽しむ間もなく次の日からまた仕事に没頭する。有難いことは、
私達が行けるように仲間の二人が茫々になった梅畑の草刈りを手伝ってくれた
ことだ。仲間という言葉が胸を突く。
大きな山に行く前は、地図広げて資料を調べて、この山の特徴は何か、見る
べきものは何かなど基礎知識を身に付けて行く。行動食もあれこれ考えて買物
も楽しむ。そうして天気予報とにらめっこしながら山行日を指折り数えて待っ
ている。嫌が応にも気運が高まるものだ。今回はといえば、一時は山行すら危
ぶまれる状態だった。逆に仕事の余韻が翌日の千枚岳山頂まで続いていた。千
枚岳山頂で御来光を迎えた時、初めて山頂にいる実感が湧いてきて、ようやく
ここから私の山行は始まった。
だから昨日の初日の千枚小屋までは、夜行で来たねぼけに加え、シラビソや
コメツガなどの樹林内の変化に乏しいダラダラした登りということもあって、
既に大部分は記憶から打ち消されそうになっている。ただ、冷たい水をガブガ
ブ飲んだ水場と、チタケがゾックリ出ていた林と、千枚小屋の廻りのマルバダ
ケブキを主体とした広大なお花畑だけは、目が覚めたようにくっきり覚えている。
千枚岳直前で足が攣り始め、千枚岳山頂から下山をやむなくした仲間と別れ
たのは何とも言えない残念な気持ちが残った。大山リーダーは荷物を分担して
一緒に行くことも提案したが、彼のプライドが許さなかった。その事とは裏腹
に丸山との鞍部に咲き乱れている花々に私達は感激した。タカネビランジ、タ
カネツメクサ、シコタンハコベ、イブキジャコウソウ、シコタンソウなどなど
岩の間に惜し気もなく咲いている。前方から左手にはこれから私達が越えて行
く山々が大きく遠い道のりを感じさせ、北方には塩見岳や農鳥岳や間ノ岳、更
には甲斐駒ヶ岳など南アルプス北部の山々が見えている。
タカネビランジ |
タカネツメクサ |
丸山を下り東岳に登り返す。途中にはチシマギキョウやイワオウギなどの常
連が相変わらず道端を彩っていて、気がつくと何時の間にか山頂が目の前あっ
た。これが何時か登りたいと思っていた荒川岳主峰なのだ。南側にはもう一つ
の勇姿赤石岳が大きく対峙している。鞍部の荒川小屋を経て登山道がくっきり
とその山に向かっている。あんなに下ってしまうのか、せっかくここまで登っ
て来たのに、そう思った。
荒川岳からは約470mも下ってしまう。その分だけ赤石岳への登りが待っ
ている。何とも憂鬱だ。しかし、前岳中腹のお花畑に来た時は思わず足が止ま
った。広大な斜面を金色に染め上げたように花々が咲いてるのだ。ミヤマキン
バイとミヤマキンポウゲを主体としたお花畑だ。よく見るとその中にもいろん
な花が咲いている。秋を想わせるミヤマトリカブトやタカネマツムシソウ、下
方ではハクサンイチゲの大群落とコイワカガミなどであった。これは不思議な
光景だった。前者は夏の終り頃の花であり、後者は雪解け直後に咲く花だから
である。ここでも新潟や東北地方と同じように大量の積雪あったことを物語っ
ている。その後に行き会った人が十年に一度の光景だと話してくれた。
クモマミミナグサ |
ミヤマトリカブト |
ハクサンイチゲ |
ミヤマキンポウゲ |
荒川小屋では千枚小屋の主人がお勧めのカレーライスを注文、二人で一本の
缶ビールを飲んだ。これが昼食である。確かに冷たい弁当を食べるより、何処か
のレストランで食べているようなこの雰囲気、リッチな気分も加わって美味し
いカレーだった。水場へ行ってみたら大量の冷たい水が溢れ出ていた。
昼食後の歩き出しはだるい。飲んだビールも効いているらしい。ただ小赤石
岳の麓まではなだらかなトラバース道なので助かった。小赤石岳への急登を登
り切るとそこが山頂かと思いきや、更に稜線を歩いた先に山頂が見えていた。
この辺りのツメクサはホソバツメクサやイワツメクサがほとんどで、荒川岳周
辺に多かったタカネツメクサは少なく植生の違いを見せている。
小赤石岳からは時折ガスに隠れる赤石岳を望み、私達が行くまで展望を遮ら
ないでと祈った。赤石岳への途中から赤石小屋へ下る分岐にザックをデポし、
最後の登りに取付く。山頂は東側から流れ込むガスに覆われていた。時々ガス
が切れると百間平や、振り返れば小赤石岳やその奥の山頂をガスに隠した荒川
岳は見えた。残念ながら大展望の期待は空しく消えた。
赤石岳山頂3.120m |
赤石岳を下り分岐に着くと、荒川岳辺りから前後して歩いていた女性4人と
男1人のパーティが大鍋でウドンを煮ていた。彼女が私達もこんな大鍋にし
ようよと言った。私のコッヘルは3人分位まで煮炊き出来るが、私達の仲間は
だいたい2人用位のもので、大勢になるとなかなか大変だった。少し話しをし
ながら最後の梨を食べる。冷たい甘さが悩神経をシャキっとさせた。
赤石小屋への下りはお花畑が点在しガスに濡れる花が奇麗だった。この辺り
にもまだハクサンイチゲが咲いている。沢の源頭に近い水場で喉を潤し、再び
赤石小屋への道に乗る。そこから僅かに下ると樹林帯へと変わっていき、小さ
なアップダウンや段差の多い何となく歩き難さを感じる道となる。赤石小屋は
疲れからかなかなか現れてくれなかった。後ろから小屋の受付けが4時までと
聞いたと言いながら、男女二人が走って追い抜いて行った。小赤石岳分岐でウ
ドンを煮ていたあのパーティの二人である。
ハクサンイチゲ |
赤石小屋に着いたのは16時近かった。大山さんと彼女は、先ず仲間が無
事に椹島ロッジに下山しているかを確認してくれるよう頼みながら受付けを済
ませた。忙しい時間帯だったので確認は遅れたが無事下山しているとのことだ
った。一時はこのまま泊まらないで下山しようかと話し合っていたが、ようや
く安心した。
🥫🥫🥫
小屋に着くなり冷え冷えのビールで一気飲み、うまいだろうな、早く呑みた
いな、なんてしばらく前から頭の中はそれで一杯だった。小屋前の水に浸して
あった缶ビールを買って、外のベンチで唾を飲みながら栓を開けた。ブシュウ
と噴き出る泡。この瞬間今まで夢に描いてきた冷たいビールも泡となって消え
た。気だるいような温い缶ビールだった。それから焼酎をチョビチョビやりな
がら食事を待つ。気がつくと後ろのベンチにあのウドンパーティの6人がいた
。ワインでやっている。走って下りて来たことをイノシシが突進して来たかと
思ったなどと冷やかしながら話しが弾んだ。その内、いきさつで私の誕生日を
知った彼らはワインで誕生日を祝ってくれた。栃木県の山人クラブの楽しいメ
ンバーだった。(インターネット、「山人クラブ」ともちゃん御一行)
食事を済ませ寝床に戻ると私達の指定席に他人が寝ていた。受付けがダブっ
ていたらしい。結局私達が奥へ移動して落着、明朝の出発が3時なのでザック
は玄関口まで下ろして置く事にした。しかし、2階の奥は暑かった。ズボンも
脱いで寝袋もめくった。それでも暑く、うつらうつらで度々目が覚め、廻りを
見渡せば大根に毛を生やしたような太い足がニョキニョキ出ていて、美しい女
性の足ならいざ知らず、気持ち悪くて見られた様ではない。助けて欲しいと思
った。
翌朝パンを一個づつ食べて出発した。暗闇のなかにヘッドライトの灯が動く。
8時発のリムジンバスに乗れるように設定した3時出発、これは正解だった。暑
苦しい小屋でウダウダ寝ているなら、涼しい内に下山出来るし、暗いのはちょ
っぴり寂しいけれど、この方がずっと増しだ。
椹島ロッジに着いたのは6時40分だった。水道で体を拭い、仲間を探しに
ロッジに行く。受付けに問合せていると玄関口へ仲間が知らずに出て来た。私
達に気が付くとこんなに早く下山して来るとは思わなかったとビックリしてい
た。そして、私と彼女の顔が疲れからだろうか大分浮腫んでいたらしく、誰だ
か判らなかったと言って笑った。
椹ロッジで出迎えてくれた仲間と一緒に |
それからはもう帰るだけ。途中で入浴の予定だった無料温泉は早すぎて入れ
ず、仕方なく次の民宿で入った。温泉はまずまずとしても、そばがあると言う
ので注文したら乾麺をゆでたらしい味だった。何処かの店で食べ直したいと思
った。
岩間には16時30分に着いた。高速道路が順調だったので早く着き過ぎ、
反省会をやり、時間を潰して解散した。その夜、これで私達の夏山は慌ただし
さの中で夢のように終ってしまった事を感じていた。
今から18年前ですか。私が山登りを始めた年ですね。ブログを始める前の若かりし頃の山行を記録しておくことは大変いい事ですね。本格的な山行からリタイアした時に思い出話に花が咲きますよ。これからもこういった記事を楽しみにしております。
返信削除楽山紀行さん、こんにちは。
削除山登りを始めた年でしたか?
ブログを始める前は忘れないようにと記録で残しておきました。
記録文はセですが(^^ゞ
今読み返すと当時の事が鮮明に思い出されますね。
楽山紀行さんが楽しみにしてくれるなら調子に乗って
これからも載せちゃいますよ(笑)
年のせいか思い出話しが多くなりそうです😅
yamasanpoです。
返信削除奥深い山、花あり展望あり言うことなしの山行でしたねぇ
せとなさんもお若い、今とほとんど変わりなし18年前とは思えないですね~
せとなさんとは鹿島槍での出会いが印象に残ってます。
またどこかでお会いしたいものですね
yamasanpoさん、こんにちは。
削除今と変わりないとのお言葉嬉しいです。ありがとう!
でも18年前は老けていたのかな(笑)
聖岳を絡めてもう一度歩きたいと思っていたのですが・・・
コロナで思うように行かなくてガックリです😢
鹿島槍ヶ岳でのバッタリは奇跡だったような・・・
今でも時々思い出します。
いつか又アルプスで奇跡のバッタリ出来たら最高ですね。
今回の思い出山行は写真もたっぷり。
返信削除そしてユーモアを交えた「せ」さんの詳細な日記も楽しませて頂きました。
それにしても予想を上回る新型コロナ感染者の急増。
これからが夏本番だと言うのに・・・
リンゴさん、こんばんは。
削除昔の写真は何枚か残しに殆ど処分してしまいました😢
今思えば残しておけば良かったと後悔先に立たず(^^ゞ
ブログを始める前のセの記録はクスッと笑ってしまう山歩きが
多くて読んでるうちに可笑しくて憂鬱になりがちな日々が
楽しくなります。少しおすそ分けしますね(笑)
せとなさん、こんばんは!
返信削除楽しみにされていた白馬岳、キャンセルされましたか~
コロナの爆発的感染では小屋泊はやむ無し、極めて
残念ですね。
あの素晴らしい花畑が待っている悪沢岳~赤石岳、
誕生パーティもあって素晴らしい思い出ですね。
北ア、もともと日帰り予定ですので、どこか歩いて
こようと思っています。
のんびり夫婦の山遊びさん、こんにちは。
削除流石に小屋泊まり2泊は・・・泣く泣くキャンセルしました。
でも二年続けてはちょっと悲しいですよね😢
あの時話していた北アに日帰りで行ってしまおうかな(笑)
セの誕生日は8月なので夏山で祝う事が結構あります。
聖岳を絡めてもう一度歩きたい山の一つですが
思い出だけになってしまいそうです(^^ゞ
おはようございます。
返信削除イヤー
荒川三山、赤石岳、私も大好きな山です!
本当に山がでかくて、お花畑が見事で、最高の山歩きが出来るルートですよね!
私も千枚岳を過ぎてからの、タカネビランジに心踊ったことを思い出します。
せとなさんの過去の山行記録を拝見し、また行きたくなりましたよ!
hutatuyanosikiさん、こんにちは。
削除余りにも山がでかすぎて写真に納まりきれませんでした(^^ゞ
タカネビランジ綺麗ですよね~チムどんどんしちゃいますね(笑)
広大なお花畑をもう一度見たいと思いながら今に至っています。
自宅からも遠すぎて😢
是非歩いてブログアップお願いします。
こんばんは。
返信削除南アルプスは、稜線に出るまでが大変で、稜線に出てからもアップダウンが激しくて・・・。自分は千枚岳は未踏で、荒川三山・赤石岳を一度だけ歩きました。すでに記憶が曖昧になりつつあります。本記事の稜線に続く道の写真などを見ると、薄っすらとした記憶と一致しているような気がしています。
ぶなじろうさん、こんばんは。
削除<南アルプスは稜線に出るまでが大変で>ほんとに大変ですよね。
久々に当時の記録や写真を見て山のでかさやお花畑に感動した
事を思い出しました。
終活だと言って何枚か残しに古い写真を処分してしまいました。
今見ると懐かしく楽しめたかもと後悔しています😅