思い出の巻機山(1996年夜行日帰り)

 セの腰の状態は良くなりつつあるが、まだ遠出は避け秋山に向けて地元の山、難台山でのトレーニングが続きます。異常な暑さの中での低山のトレーニングはいくらナの大好きな難台山でも、秋山のトレーニングだからとは言え毎週では飽きてしまうし嫌になってしまいます。涼しい所を歩きたいよー
という訳で昔、昔の若かりし頃、涼しい所を歩いた記録を読み返してせめて気分だけでも味わう事にしました ^^) 
🍁秋山は会で栗駒山予定してます🍁楽しみ、楽しみー😊😊


 セの登山記録 (写真はフイルム写真を撮りなおした)

日時・1998年(平成10年)10月10日


第1日 夜行 笠間発19:30~国道50号~渋川IC~塩沢石打IC~1:40登山口駐車場 車中泊

第2日 登山口6:10~10:35割引岳10:50~11:30巻機山昼食(天候急変)12:30~井戸尾根~16:15登山口駐車場17:00~塩沢温泉アクエリア~塩沢石打IC~渋川IC~国道50号~23:50笠間着


 この山が良かったというよりはこのヌクビ沢コースが良かったという印象をける。ヌクビ沢を遡行し割引岳(わりめきだけ)へ、そこから巻機山へ登り返し井戸尾根を下山するコースを辿った。そのヌクビ沢が実に素晴らしいのである。大小の滝があり、滑があり、その縁を行き、沢の中を行く道、そして何よりも水の流れを見ながら、流れの音を聞きながらの登山は楽しい。一般的に沢コースといえば、履物からヘルメットに至るまで装備からして違うものだが、このコースは一般的な登山装備でも良く、中級登山者なら登ることが出来る範囲であると思われた。このコースを選定する時、最終的には雑誌の写真に写っている登山者の装備を見て、私達でも行けると判断したが、沢を詰めるまでは何時撤退しなければならなくなるのか常に不安が付き纏った。しかし、吹上げの滝やアイガメの滝や行者の滝が現れるたび、そこまでの疲れや不安を忘れてただ見入った。






 沢も上部に差し掛かったころ、早い流れを挟んで大きな岩が1メートル位離れていて、そこを渡らなければならない所があった。彼女が先行していたのだがそこで立ち止まり、「どうしよう・・。」と言いながら躊躇している。跨ぐには広いし、飛ぶにはザックが重いし、ちょっと嫌らしい幅かも知れない。
後ろから、「飛べっ!,思い切って。」と言ったがうろたえている。仕方なく私が先に渡りストックで引いてあげようとした。すると私達の前に渡ってそれ見ていた学生らしき男の子が、ささっと戻って来て、長い足で岩を跨ぐや手を差し伸べて、「どうぞ。」と言う。てなわけで無事渡ることができた。だがそれからが大変、「あの人は優しい、あなたはターダ飛べと言ってるだけ、ツメターイ。」と言う。この言葉を何度も聞かされ、ただ「ごめん、すみません」と言うばかり。言い訳も少しは言わせてもらった。お前ならこれ位は飛べると思っていたし、何も問題ね~って思っていたと。



 


 割引岳にはもう七、八人の登山者がいて、その中に先ほど助けてくれた男の子も休んでいた。彼女はすっごくご機嫌で、丁重にお礼を言うと確かチョコレートを上げていた。割引岳からの眺望は素晴らしく、今登って来たヌクビ沢が、前巻機山と少し紅葉し始めた天狗尾根との谷間に延びている。黒い針葉樹に覆われた巻機山が尾根のすぐ向こうに対峙していて、眼下からそこまでは秋色に染まった草原が広がり、その中に緩やかな曲線を描いて一本の道が続いている。それらを眺めながら少し休憩し、再び巻機山に向かって歩き出した。


 


巻機山

 しばらく行くと木道部分もあり、沢とはまた違った趣で気持ちがいい。前巻機山への道を右に分け少し行くと小広場があり、そこには井戸尾根からの登山者が大勢休んでいた。この辺りからガスがだんだん湧いてきて、見通しも悪くなり間もなく太陽も見えなくなった。池塘のある荒れぎみの小湿原を過ぎると僅かな時間で山頂に着いた。そこは丘のようになだらかで、標柱がなければ何処が山頂なのか分からない程であった。時々吹き払われるガスの小空間に大利根湖が薄っすらと見え、付近の紅葉の一端も見えた。早速ラーメンを煮てお待ちかねの昼食とする。その頃から暗雲が目立ち始め、冷たい風も吹き始め、寒さも感じるようになっていた。

巻機山山頂


 食後の片付けが終わろうとしている丁度その時、突然バタバタと音がしたかと思うと大粒の雨が降り出し、どしゃ降りとなるや風もヒュウという音をたてて吹き出した。慌ててカッパを着ようとするが、風に煽られなかなか思うようにならず、その僅かな間に大分濡れてしまった。周りでも右往左往の慌てぶりだったが、早めに支度を終えた私達に写真を撮ってという中年のカップルがいた。急いでシャッターを押しては上げたが、こんな横殴りの強烈な雨の中で、どんな顔で写っているやら、シャッターを押した人の責任ではないにしろ、結構気になるものだ。

この後突然の雨に見舞われる

 
 下山している時、濡れた所為もあるだろうが大分気温が下がってきているのを感じる。きっと寒冷前線の通過だったのだろう。前巻機山方面に向かうと風は余り当たらなくなったが、道は水が流れてぐちゃぐちゃと踏んで歩いた。直下にある避難小屋を覗いて見ると、中は満員でとても入れる隙はなかった。他の人達との小屋での談義も楽しいものだが、これでは談義どころではなく次の機会にということにした。
避難小屋


 前巻機山へ登り返し、休まず下る。その頃から次第に雨が上り出し、下るにつれ周囲の紅葉が徐々に見え隠れしてきた。雨も止みガスが上がっていくとなかなか良い紅葉で、ガスが上がるまで立止り待ってて見たり、あるいは登り返えして眺めたりした。 




 

 

 陽が差して明るく輝く紅葉をついに見ることは出来なかったが、それでも初期の目的である素晴らしい紅葉の片鱗をちょっとだけでも見せてくれたこの山に、二人で感謝し再訪を約束した。





2 件のコメント :

  1. ぶなじろう2024年8月28日 20:08

    今晩は。
    巻機山、いいですね。
    自分は夏と残雪期(スキー)に井戸尾根から上り下りしました。ヌクビ沢や米子沢は歩いていません。ヌクビ沢コースはとても綺麗そうにみえます。でも「とべ~」と言われてもですねぇ~。私は、岩場で足がとどかないオッカサンのお尻を押してあげたら、「キャー」と言われました。以来、セさん方式に徹しています。
    秋の山で急な雨は困りものですね。しかし、雨が上がった後の紅葉が素晴らしいですね。

    返信削除
    返信
    1. ぶなじろうさん、こんにちは。
      巻機山でもスキーを、ほんとに色んな所で滑っていたんですね。
      私は蔵王とか猪苗代でした。ちっともうまくなりませんでした。
      巻機山は随分昔なので記録文で思い出しています。
      その中でもヌクビ沢は鮮明に覚えています。
      「とべ~」と言われてもね~
      そう言えばセも岩場で女性のお尻を押してあげた事がありました。
      感謝されて嬉しそうでした(笑)他の女性には優しいセなので😅
      再訪をと思いながら今に至っています。

      削除